これからのエンジニアは取っておきたい!おすすめIoT資格3選

IoTという言葉はみなさん聞いたことがあるかと思います。
Internet of Thingsの略で、初めは商品管理システムのRFIDタグから利用された、と言われます。
今やIoT機器は世界中で300億台稼働していると言われ、どの産業でも何かしらの形で関わるようになってきました。

これまで携わって来なかった・あるいはこれから携われようとしていて、IoTエンジニアになるにはどんな勉強をしたらいいんだろう?せっかくなので資格取得を目指してやってみよう、という方もおられるのではないでしょうか?

少し注意が要りまして、ITかICTかIoTか?何を学びたいかで少し話が変わります。
今回はIoTをターゲットにおすすめ資格をご紹介したいと思います!

今回の記事は次のような人におすすめ!
・IoTに興味がある
・どうせ勉強するなら資格試験を使って体系立てて学びたい!
・IoTの資格は何がある???

それではどうぞ!

目次

IoT関連資格

これから3つのIoT資格をご紹介していきます。
まずはざっくり、IPAの提唱するITスキル標準も踏まえつつ整理したいと思います。

エンベデッドシステムスペシャリスト
(ES)
認定]
IPA(経済産業省所管)
※国家資格
[スキルレベル]
IoTシステム技術検定[認定]
モバイルコンピューティング推進コンソーシアム
[スキルレベル]
1~3相当
IoT検定[認定]
IoT検定制度委員会
[スキルレベル]
1~2
※現在実施の範囲

IPAのスキルレベルのご参考としては次の通りです。

スキルレベル1:ITパスポート
スキルレベル2:基本情報技術者
スキルレベル3:応用情報技術者
スキルレベル4:エンベデッドシステムスペシャリスト(ES)ITサービスマネージャ(SM)ITストラテジスト(ST)、ネットワークスペシャリスト(NW)など

それでは、個別の資格についてご紹介していきたいと思います。

エンベデッドシステムスペシャリスト(ES)

認定団体

認定団体はIPA(経済産業省所管)です。何はともあれIPA資格が国家資格で王道かと思います。
スキルレベル4の資格は複数ありますが、
IoTとして、エッジコンピューティングとしてセンサ読み取ってCPU処理して結果をサーバに送ろう!
そのためのIoTゲートウェイトとなる組み込み(エンベデッド)システム設計なら任せてくれ!と名乗る資格を選ぶなら、
このエンベデッドシステムスペシャリストでしょう!

難易度

ITスキルレベル4で難しいです。令和2年の実績は合格率16.4%で、ガッツリ落ちます。
毎年約5000人の方が受験されています。
難易度を推し量るには、こちら()に過去問が公開されていますので試してみるのも良いかもしれません。

市販の過去問集の試し読みもおすすめです。

難しそうと感じられましたら、IPAのスキルレベル2~3の受験や他のIoT資格をおすすめします。

試験内容

  • 組込みシステムの機能要件把握
  • 組み込みシステムの設計・開発
  • 組み込みシステムのソフトウェア設計・製造
  • 組み込みシステムのハードウェア設計・製造
  • システム評価
  • 保守

以上が、シラバスの大項目です。詳細は公式サイトのシラバスをご参照ください。
組み込みシステムを開発するための全般的な知識を、ハード・ソフトにまたがり問う内容です。

試験日程

年一回実施の試験です。
春季(4月)と秋季(10月)に実施されるのですが、エンベデッドシステムスペシャリストは秋季の1回のみです。

エンベデッドシステムスペシャリストはザ・王道の最高峰ですが、難易度も高い!と言えます。
完全な独学はおそらく難しくて、実務やOJTで経験を積んだ方が、
テキストや講義などで補いながら勉強してようやく取れるレベルと言えそうです。

IoTシステム技術検定(基礎・中級・上級)

認定団体

モバイルコンピューティング推進コンソーシアムとなり、民間団体となります。


「MCPCは、通信キャリア、コンピュータハードウェアメーカ・ソフトウェアメーカ、
システムインテグレータ等により設立された団体です。」引用:https://www.mcpc-jp.org/member/


こちらに会員企業が公開されています。
有名な通信会社、電機会社が何社も名を連ねています。またIEEEといった標準化機関も連ねています。
民間資格ではありますが今後、重要度が増していくのではと思われます。

難易度

基礎・中級・上級があり、ITスキルレベル~3相当と言われています。
中級がITスキルレベル2相当です。
エンベデッドシステムスペシャリストよりやさしい資格です。


残念ながら過去問の公開や市販の問題集がないので、問題を見て推し量ることができません。
エンベデッドシステムスペシャリストに難なく合格できる!という方はすっ飛ばすのもアリと思いますが、
こちらの資格にまず挑戦するのも良いでしょう!
ちなみに、上級を受けるには中級の合格が必要です。中級はどなたでも受験可能です。
合格率は非公開のため不明です。

試験内容

中級の例です。

適用可能な実務レベル
 IoTシステムを構成する基本技術習得
 ●IoTシステム構成と構築技術
 ●センサ/アクチュエータ技術と通信方式
 ●IoTデータ活用技術
 ●IoT情報セキュリティ対策技術
 ●IoTシステムのプロトタイピング技術
適用可能な実務レベル
 IoTシステム全体を俯瞰することができ顧客の要求または提案の要点を的確に把握でき、システム構成の概要が描けます。

出題項目の例
・IoTシステム構築技術と応用技術の概要
・通信方式(IoTエリアネットワーク無線、IoTゲートウェイ、広域通信網、プロトコル、IoTトラフィックの特性)
・IoTデバイス(各種センサ、アクチュエータ、信号処理、画像処理、MEMS)
・IoTデータ活用技術(IoTデータ分析手法、AI、ロボットとIoT)
・IoTシステムのプロトタイピング開発(組み込み技術とIoTプロトタイピング、IoTプロトタイピングのためのハードウェア、IoTプロトタイピング、プログラミング事例、IoTシステム開発プログラミング環境、IoTシステム・プロトタイピング開発での課題・対策)
・情報セキュリティ(脅威と脆弱性、セキュリティ対策技術、情報セキュリティの標準と法制度)
・IoTシステムの運用(保守と運用、IoTの契約形態、匿名化、BCP、CCライセンス)

独学での勉強方法としては、過去問がないため、次の公式テキストが良いでしょう。
[公式テキスト]

試験日程

年二回実施の試験です。
中級を例にすると、7月と12月に実施されます。

ということで、エンベデッドシステムスペシャリストと同じくハードとソフトにまたがり、IoT組み込みシステムの開発に関わる全般的な内容を問われます。
よりIoTに特化している点で、IoT学ぼうとする組込みエンジニアにとって、やって損は無い内容です。

IoT検定(ユーザー試験 パワーユーザー(IoT-PU)、レベル1試験プロフェッショナル・コーディネータ)

認定団体

IoT検定制度委員会となり、民間団体となります。
先とは違って、団体会員・後援に企業の名前はあまりありません。

難易度

次が実施されています。
IoT検定ユーザー試験 パワーユーザー(IoT-PU)
IoT検定レベル1試験 プロフェッショナル・コーディネータ(IoT-PC)
IoT-PCがスキルレベル2相当とされ、合格率は約60%です。
毎年1000人弱の方が受験しています。

試験内容

・概略
戦略とマネジメント
産業システムと標準化
法律
ネットワーク
IoTデバイス
IoTプラットフォーム
データ分析
セキュリティ

スキルレベル説明:レベル1試験(IoT-PC)
・IoTに関する全体の基本・詳細設計ができる
・ハードウェアにIoTの機能を導入し、試作開発できる
・IoTに関わる提案と推進ができる
・IoTシステムの企画を立案し、説明できる
・推進にあたって法律やセキュリティ知識を持ち、リスク管理できる
・IoTプロジェクトに必要なIoTデバイス概要と、搭載されるセンサーについて説明できる
・IoTプロジェクト実現にあたって低コストで迅速にプロジェクトを進めるためのサービスやソフトウェア、ハードウェア知識を持ち、採用理由を説明できる
・IoTプロジェクト全体設計の知識を持ち、適切な通信方法やデータベース選択と説明ができる
・データ分析や機械学習の基本的な知識を持ち、目的や注意事項を説明できる

独学での勉強方法としては、公式テキストがメインになります。公式サイトから多数の参考書籍が紹介されています。

[公式テキスト]

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試験日程

CBT方式で通年受験可能です。
他の資格と比べて完全に有利な点です。年間スケジュールを気にする必要がなく、ご自身のタイミングで受験日程を組むことができます。

ということで、試験内容が少し広そうな言葉に置き換わっていますが、基本的にはIoT向け組込みシステムの内容が問われています。セキュリティや法知識、標準ガイドラインなどはどの試験でも共通して問われるところです。

今回のまとめ

以上、3つの資格を見てきました。
改めて代表例の級でまとめなおすと次のようになります。

今回のまとめ!

  • エンベデッドシステムスペシャリストが最高峰。難易度をクリアできそうであればベストチョイス。
  • ステップを踏むとして、IoTシステム技術検定 or IoT検定をどちらか。
    テキストを読んでみて、自分の学びたいことによりしっくりくると感じた方を選んでも良い。
  • 代表級の例で、認定団体、スキルレベル、日程受験者数をまとめると次のとおり。
エンベデッド
システムスペシャリスト
[認定]
IPA(経済産業省所管)
※国家資格
[スキルレベル]
[試験日程]
秋季試験(10月)
[受験者数]
5000人
IoTシステム技術検定
(中級)
[認定]
モバイルコンピューティング推進コンソーシアム
[スキルレベル]
1~3相当
[試験日程]
7月・12月
[受験者数]
非公開
IoT検定
(レベル1試験プロフェッショナル・コーディネータ)
[認定]
IoT検定制度委員会
[スキルレベル]
1~2
※現在実施の範囲
[試験日程]
通年
[受験者数]
1000人

ということで、今回は「これからのエンジニアは取っておきたい!おすすめIoT資格3選」をお届けしました。
いかがでしたでしょうか。

実はIoTシステム技術検定のテキストを購入して読んでいます。
シンプルにIoT知識の読み物としてとても良いです。
不明点をこのテキストで探して読んでみるとしっくりくる答えが得られます。

スキルアップのために、今冬にでも試験を受けてみても良いかも。

以上で終わりたいと思います。本記事を読んで下さりありがとうございました!
この記事がみなさんのお役に立てれば幸いです。

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